-整形外科の病気-
膝半月板損傷とは
Orthopedic surgery
-整形外科の病気-
膝半月板損傷とは
Orthopedic surgery
半月板は内側と外側に1枚ずつある膝の関節の中にある軟骨で、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)からなる関節面に介在して膝の動きをスムーズにしたり、膝関節の動きに際して膝関節を安定させたりするとともに、ジャンプなどの衝撃を分散させるクッション的な役割(衝撃吸収)を果たしています。
この半月板が、スポーツ活動などによって膝をひねったときにストレスでこすれて損傷(断裂)することがあります。半月板を損傷すると膝関節の疼痛や運動制限が発生します。
スポーツ(バスケットボールやバレーボール、サッカーなど)の怪我から生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月に微妙な外力が加わって損傷する場合とがあります。
前者では、体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって半月だけが損傷するものと、前十字靱帯損傷などに合併して起こるものとがあります。
半月は加齢に伴い変性するので、40歳以上ではちょっとした外傷でも半月損傷が起こりやすくなります。
また、外側半月板が円板状になった形体(円板状半月)のものがあり、特に日本人に多いです。大腿骨と脛骨に挟まれ、損傷しやすくなっています。
半月板は血行に乏しい組織で外周辺約1/3では血行があり治癒する可能性がありますが、その他の部位では自然治癒は望めません。
損傷の形も様々で形態により変性断裂、水平断裂、縦断裂、横断裂に分類されます。損傷の状態によっては放置すると、さらに関節軟骨を傷めることもあります。
膝の疼痛、腫れ(腫脹・水腫)、膝が伸びきらない、しゃがみ込めない(可動域制限)、引っかかり感(キャッチング)、慢性的な例では太ももの筋肉の痩せ(筋萎縮)や変形性膝関節症)原因にもなります。
半月板損傷は、前十字靱帯や内側側副靱帯の損傷を併発しやすく、関節軟骨の損傷を伴うこともあり、注意を要します。
また逆に、前十字靱帯単独損傷の後遺症で膝に緩みが生じ、それが誘因となって半月板を損傷するケースも多く見られます。
単純X線(レントゲン)写真では半月は写りません。症状や診察で半月損傷を疑えばMRI検査を行います。MRIは非侵襲性で半月損傷の病態や合併する靭帯損傷の診断にも有用です。
初期には局所の安静、投薬、関節穿刺〈せんし〉による関節液の吸引、局所麻酔剤やステロイドを行い、その後、ヒアルロン酸注射を行います。装具やテーピングなどの補助補強、筋萎縮予防や疼痛の軽減を目的として、大腿四頭筋訓練、膝関節周囲の物理療法(低周波や干渉波による電気刺激)も実施します。
多くは保存的治療で症状が軽快します。
損傷状態により、引っかかりやロッキングが改善しない場合、持続する疼痛、しつこい水腫(膝に水がたまる)があるには関節鏡を利用した手術を行います。
手術法
切除術(損傷した部分を切り取る)と縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)の2種類があり、通常は関節鏡を使った鏡視下手術を行います。
術後には適切なリハビリ期間が不可欠です。
術後2〜3週目より動的なリハビリテーションを開始しますが、術後2ヵ月くらいまでは激しい運動は避けるべきです。
スポーツの完全復帰は5~6ヶ月で可能です。
半月板に断裂があったとしても、保存療法による膝周囲筋の筋力トレーニングなどを行うことで、症状を改善できることもあります。膝の痛みでお困りの場合は、我慢せずに当院にご相談ください。
保存療法では、状態に応じて漸増的にリハビリテーションを実施します。
初期には安静や鎮静を目的にアイシングや、松葉杖で免荷を図り、太ももの筋肉の萎縮を避ける為に、なるべく早期から筋力トレーニングを開始します。
関節運動を伴わない筋肉を収縮させる訓練から開始し、回復に合わせてスクワットなど体重をかける運動や、痛みもなく動作が安定すればジョギングやジャンプという形で段階的に進めていきます。
スポーツ復帰に際して、サポーターを装着することもあります。
ヒアルロン酸とは
膝関節軟骨の成分でもあるヒアルロン酸は、水分の保有率が高く、関節軟骨や半月板が傷ついたとき、関節の潤滑油やクッションの代わりになり、動きをよくし、ひいては関節の痛みや腫れの軽減にも効果があります。
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